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ウクライナ-ロシア情勢整理 経済影響分析

 

3月1日午前ゼロ時(JST)にベラルーシ国境付近で開催された停戦協議は大方の予想通りロシア側が非常に厳しい条件を提示し、ウクライナ側は飲めるわけも無く議題を持ち帰り再度協議が開催される流れとなりました。

 

その間もロシア軍はウクライナへの攻撃を続けており、武器供与がNATO加盟国だけでなくフィンランド始めとした非NATO加盟国からも実施されています。まだ軍隊を送っている所は無いようですが、引き続き民間人含め犠牲は増えていくと見ていいでしょう。

 

 

一方SWIFT排除、EU圏内へのロシア航空機発着陸の禁止などによりルーブルの暴落が起きています。ロシア国内では取り付け騒ぎも起こっているようです。

 

 

かんっぜんに第一印象のまま進めますが、今回の侵攻で最も身近に影響を感じられるのは戦闘によるウクライナ周辺の物流の分断とロシアに対する経済制裁の影響による世界経済おいては日本経済の変動だと考えています。

 

金融面の影響、たとえばSWIFT排除によるロシア相手のルーブルによる金融取引が出来ないことで安定資産である金価格や逆に新興の暗号通貨価値が上昇しているというのもありますが投機筋には影響あるもののあくまでその業界のみの影響に留まると想像しています。ドル決済やユーロ決済が不可になったらそれはもう大変ですが。

 

ということで、この辺りは若干土地勘はあるにしろ非常に影響範囲を整理するのが難しいのですが、素人ながら格闘したいと思います。

 

 

ロシアおよびウクライナに頼っているものは何か

まず、経済への影響を考える上でロシアとウクライナに対し何をどの程度依存しているかを理解しておく必要があります。

 

野村アセットマネジメントの記事を見ると、ロシアの主要産業はエネルギー産業です。原油生産の世界シェアが約12%で世界3位、天然ガス生産は約17%で世界2位、石炭が約15%で世界2位となっています。

そのほか、ネオン・クリプトン・キセオンといった希ガスやプラチナ・コバルトやパラジウムといったレアメタル、小麦が高い世界シェアを持つ品目として挙げられます。

 

ということでここではエネルギー、希ガス及びレアメタル、小麦の3つに絞って影響を見ようと思います。

(ほかにもあるんでしょうが。。。)

 

エネルギー

地理的には当然ながらロシア産各エネルギーの主要な取引先は欧州各国で、ロシア西部から東欧を抜けドイツをはじめとする欧州主要国への天然ガスパイプラインが整備され稼働しています。

 

画像は天然ガスパイプラインの敷設図。毎日新聞 2014年3月9日の記事より。

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こちらは石油パイプライン。ウクライナに製油所が多くあるのがわかります。

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これだけのパイプラインが整備されていることからわかるように欧州のエネルギーはロシアに大きく依存しています。特に天然ガスはロシア産のものに3分の1は依存していると言われており、ウクライナでの戦闘によりパイプラインが寸断されるまでもなくロシアが天然ガスの供給を止めてしまえば欧州のエネルギーに影響が出ることは言うまでもありません。

 

この記事では書かれていませんが現在バルト海の東からドイツへ伸びる”のルドストリーム”と並走する形で”ノルドストリーム2”が建設され、稼働を待つばかりの状況でしたが稼働前にアメリカによる経済制裁の一環で稼働計画は中断されました。

稼働前であり影響は限定的ではあるものの、もしロシアがパイプラインによる石油および天然ガスの供給を止めたり、ウクライナの製油所の稼働が止まることがあれば欧州のエネルギーが逼迫することは間違いなく、国民の電気代の支払いが数倍に膨れ上がるという想像しやすい所から巨大な電力を必要とする工場の稼働に影響が出ることで欧州製品の供給不足が発生しそうです。

 

ただ幸いにして欧州各国、特にドイツなどの主要国は最大4か月分の天然ガス備蓄を行っているため、すぐに壊滅的な影響が出ることは無いと思われますが、石油やガスの値上がりは必須でしょう。既に値上がりが続いていますが今後もこの状況が続くことはほぼ間違いないと考えられます。

 

 

希ガスおよびレアメタル

個人的にはここの影響が一番大きいと考えています。

結論から言うと昨年後半から顕在化している世界的な半導体不足を加速させる影響があると見ています。

 

順を追って整理すると、希ガスのうちネオンガスはウクライナが世界の70%近くを供給しており、ロシアのウクライナ侵攻により供給に影響が出た場合代替の調達先が非常に限られることが想定されます。

 

このネオンガスはあの繁華街の看板に使われるだけでなく様々な用途があり、その中で危惧しているのが半導体製造において必須となる工業用レーザーです。レーザー照射に使うガスは交換品で製品によりますが寿命は機械1台につき10日から長くて30日で交換する必要があります。原料となるネオンガスの供給が出来なくなれば消耗品のガスが交換できなくなり、機械が稼働できず半導体生産が止まるということになります。

 

既に述べたように半導体不足はかなり悩ましく、年末では今まで1万円だったものが40万円にまで値上がりするといったケースもありました。それを見据え生産ラインの増強をサプライヤー各社は計画しており、春ごろから工場の稼働が始まるという事でしたが今時点では何時頃半導体不足が解消されるのか見えていません。

 

半導体はざっくり言うと原料を工場に持ち込んで製品として出てくるまでに大体3か月かかると言われています。よって正確な供給見込みが見えるのは3カ月先になりますが、当然サプライヤー各社はそれじゃ仕事になりませんから少なくとも年間の需給計画を立て、それを基に顧客と商いを成立させてきました。

ですがこの半導体不足のせいでサプライヤーからはまったく目途が立たず見えても供給を約束できるのは3カ月先までという回答が頻発しています。そこに希ガスの影響が出れば更に状況は悪化すると見ていいでしょう。

 

経済系のニュースや記事ではウクライナ情勢による半導体不足への影響は限定的とする見方もありますし、更に痛手を被るという見方もあります。しかしここにおいては私は後者の立場です。

 

半導体不足により半導体が値上がりし、電化製品、精密機器、自動車などはより値上がりするか供給に影響が出るでしょう。既にトヨタのランクルは4年待ちですしね。。。

 

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希ガスについてばかり話してしまいましたが、レアメタルパラジウムはロシアの世界シェアが40%でNo1です。(副産物になるプラチナも16%で世界シェア2位ですが1位の南アが70%以上を占めているので影響は限定的でしょう)

パラジウムの用途の一つは歯の詰め物ですが、これが値上がりしても幸い代替手段もありますし保険適用なのでまだ影響は少ないでしょう。

一番影響があるのは自動車で、排気ガスフィルターに利用されています。昨今のカーボンニュートラル規制に思い切り舵を切っている手前、パラジウムをケチることはできそうもなく、自動車の価格はこれまた上昇すると見られます。ついでに言えばエネルギー不足によるガソリンも高止まりなので誰も車のらないんじゃないかって思いますね。

 

小麦

 

寒冷地とはいえ広大な国土から生まれる小麦がロシアの主要輸出品目となっています。

ただ、小麦は主要穀物として欧州各国で生産されており、穀物自給率を見ると欧州各国高い率を達成しています。特にフランスは農業国で有名で200%近い自給率を誇りますので、仮にロシアから小麦を確保できなくなっても影響は非常に限定的で、若干の価格上昇はあるかもしれませんが石油等のエネルギーに比べ状況が逼迫するとは考えにくいでしょう。

 

以下グラフは社会実情データ図鑑より

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そもそも。。。

 

ここまで書いて置いてですが、この前提はウクライナ侵攻で止まった場合のみ、言い換えればウクライナ以外の国が軍隊をロシアに向けることになれば状況は大きく変わります。

米国バイデン大統領は米軍の出動は明確に否定しました。非NATO国へ軍隊を送るということは無いということがハッキリしました。欧州各国も武器の供給と人道支援および経済制裁のみに踏みとどまっています。

 

一方停戦協定は難航し、ロシア軍は戦備を整え24時間から72時間以内にキエフへ本格的な侵攻を始めると見られています。これは英国のレポートですがキエフに肉薄しつつあることがわかります。

 

次のターニングポイントはキエフ包囲および占領がいつか?ということになりそうです。

 

ロシア軍は未だ制空権を確保できず、ロケット砲やミサイルによる居住地への無差別攻撃を始めました。歴史的建造物の多いキエフにまで堂々と攻撃を行うのかわかりませんが、ロシア軍の展開状況を見るにキエフ制圧は本気に見えます。

 

一方ウクライナ軍は武器の供給を各国から受けているものの派兵は行われる気配はなく、よく防衛しているもののウクライナ国境外に集結しているロシア軍を撃退することは難しいでしょうから、訓練を受けた兵士は減り、結果徐々にゲリラ的な戦闘様相に移行せざるを得ないと思われます。

ここでいうゲリラ的な戦闘様相は歩兵中心で十分な指揮系統を維持できない状況に陥るという意味です。

 

そうなると停戦協定をいつ結ぶかになりますが、ロシア側は(こんな状況でウクライナを親ロシア政権が統治できるのかという疑問はともかく)今の姿勢を崩さないでしょうから泣く泣く協定を結ぶかキエフ制圧後ゼレンスキー大統領が国外に移ったタイミングで親ロシア政権によるクーデターを行うのではないかと推察します。

前の投稿で書きましたが、ロシア側でそういった動きがあるのではとメディアが報じていますね。

 

 

なお、ロシアが経済制裁に折れて軍を引っ込めるということは無いと私は思いますので、停戦協定がいつ結ばれるのか?それはキエフ包囲後ではないかだろうか?というのが私の見立てです。ロシアの進行速度に寄りますが1カ月から2か月ではないかと。その影響をうけてエネルギー不足(原油高含む)と半導体不足は少なくとも3カ月は続くのではないかと思います。

 

なおこの文章は素人による個人的見解ですのであてになさらぬよう。

 

なんかしまりが悪い終わり方だな。。。

 

ウクライナ-ロシア情勢整理 歴史的分析

2022/2/24にロシアがウクライナに対し特別軍事作戦の実行を指示しロシア軍がウクライナへ平和維持部隊を展開しました。

丁度コロナウイルス陽性で38度代の熱と頭痛、悪寒に苦しんでいる中のニュースで、病床でスマホで情報を集めては不調により気絶……からのちょっと回復したらまたスマホで情報を集めてを繰り返し25日あたりで大分復調しました。

 

復調したタイミングでこの大きなEVENTの最中リアルタイムで何を考え何をしていたのか残しておきたいなと思ったので書いておきます。

 

何故注視するのか

こういう専門外かつ判断が難しい問題はスルーするのがSNS上ではbetterといえばそうなんですが、個人的な興味と卑近な生活上の事情の2つによります。これらの興味関心にある程度の答えを出すことが目的となります。あとは時間が経てば考えが合ってたか間違ってたか証明してくれるでしょう。

 

1.WW2(太平洋戦争だけど)の歴史を紐解くのが好きでその延長
艦これの影響でWW2の歴史をバリバリ読んでいた時期があり、かつその中でも対露戦は興味深くその熱量の残り火が今回の事件に嫌が応にも注目させるのです。よって過去の戦時分析が現代でも役立つのか身をもって知りたいということです。

 

2.リアルでやってる仕事に影響があるため
自分は某メーカーの予算策定の仕事をしていて、ロシア含め海外取引もあるのでこの動乱の見通しをつけておかないといけないという理由があります。コロナ、半導体供給問題に加えてロシアおよび恐らく中国のPolitical riskも踏まえないといけません。つまり、仕事で使えるレベルの情報収集をしておきたいということです。

 

3.もっと身近な部分で影響があると考えるため

直接ロシアが日本に侵攻というシナリオは考えていませんが、副次的に金融市場への影響やエネルギー関連への影響は確実に発生し、それが物価高となることは想像できます。その規模と影響を対策できるかどうかは別にして理解しておくべきと思っています。家族もおりますし。

 

もっと言えば、ロシア同様の大国かつ常任理事国で共産圏である中国が今回の事件をうけてどういった行動に出るのか不安なので見通しをつけておきたいということもあります。海を隔てているとはいえ、ロシアと中国の共産圏国家と国境を触れさせている日本で生活する以上理解を深めたいと思うのは自然なことのはず。

 

以下、2月末時点での情報と自分の考えのまとめです。

 

 

1:ウクライナーロシア情勢の歴史的分析

ロシア連邦成立に至るまでのウクライナとロシアの関係

まずは大昔の話。

モンゴル帝国崩壊後の今のロシアの礎となる過去の国家について。

現在のようにユーラシア大陸の北部をすべて治めるような広大な領土ではなく、そもそもモンゴル帝国のイメージに近い遊牧民族がその祖先であったとされています。そんな現ロシアの人々が国として歴史に登場し始めるのは東ローマ帝国の時代周辺で、ハザールという国で現クリミア半島周辺に存在していました。西暦650年ごろの話です。

 

ただこの事実はあまり重要では無くて大事なのは次の国家です。名前をルーシと言い、キエフ大公国とも呼ばれます。

キエフは今のウクライナの首都ですね。詳細割愛しますがルーシはキエフにて起こったとされ、周辺の小国家をまとめつつ大きくなった国であり現在のロシア、ウクライナベラルーシ(ルーシからまんま名前取ってますね)の祖となったとされています。

 

ただし、大幅に端折りますが現ロシアの領土は首都はモスクワで、領土としては東ローマ帝国崩壊後のモスクワ帝国が拡大し、ロシア・ツァーリ国キエフを併合してからキエフはロシアの一都市となっていきます。
そこから時代が流れ1918年ロシア革命の過程でウクライナ人民共和国としてウクライナが独立しキエフはその首都となります。

が、結局はソビエトに吸収され、WW2と長い冷戦の果てに再び独立機運が高まりウクライナが独立することで1991年ソビエト連邦は崩壊します。そしてロシア連邦が成立し今に至ります。

 

ロシアが何故ウクライナに侵攻したのかについてですが、ロシアの安全保障上の理由いわゆるNATO加盟国が東に前進するように進んできたということ(後述)の他に、ウクライナキエフ)はソビエトよりもっと前のロシア・ツァーリ国の一部であり統一は悲願であったのではないかと分析しています。

 

後々蛇足的に触れようと思いますが、このかつて自国の領地であった国を統一しようという意図は中国が台湾に対して発する祖国統一という言葉のほうが馴染みやすいかもしれません。

 

冷戦から現在にいたる西側諸国(NATO)との経緯

 

次に随分近代の話。
東西体制についてNATOがロシアに迫る様子を超雑に整理します。

 

冷戦終結ソビエト崩壊など

NATOチェコハンガリーポーランド加盟(1999年)

NATOバルト3国加盟(2004年)

NATOウクライナジョージアが加盟申請。なお現時点でも手続きが進まず加盟は未実現(2008)

 

はい。近づいていますね。東京新聞が上手くまとめてたので転載します。

 

 

バルト三国NATOに入った時点でNATO加盟国とロシアは国境=東西分断線となってしまっています。ベラルーシは完全にロシア側。いうまでもなくウクライナが最大のロシアと欧州との緩衝地帯として横たわっています。ここがNATOに加盟してしまえばロシアはベラルーシを除いて東西分断線とロシア国境がほぼイコールとなります。

それ以上に首都のモスクワが随分近くなり、NATO加盟国の領地内から短距離ミサイル(半径1000km)の射程圏内に入ることになります。この点をあらゆる場でロシアが口にしている安全保障上の懸念であり、NATO加盟を目指すウクライナの政権を親ロシアのものにしたがるモチベ―ションとなっているのだと想定します。

 

1のまとめ

ウクライナ統一はロシア連邦としての歴史的悲願である

ウクライナNATO加入はモスクワがNATO圏の攻撃圏に入るため絶対に阻止しなければならない

 

ウクライナ侵攻の背景をある程度理解した(とおもう)ところで、今後の展開についての分析を進めます。

 

 2:過去のロシア侵略戦争による分析

 

まんまです。

結論から言ってしまいますが冬戦争(および継続戦争)の情勢に酷似していると考えています。なので、今後の展開は基本的に冬戦争をベースに考えています。

ja.wikipedia.org


冬戦争って何?だと思うのですがこれは1939年11月に開戦しWW2の展開、とくにドイツのソビエト侵攻にも大きく影響を与えたと言われるソビエトによるフィンランド侵攻の戦争となります。なおこれが切っ掛けでソビエトは国連を脱退しています。

 

背景と経緯をまとめるとこんなです。

 

独ソ不可侵条約締結を締結し、その際の秘密議定書にて東欧圏の独ソにおける領土分割が約束される。(1938年8月)

バルト三国に対してソ連は圧力を強め(戦闘機や艦艇による領空領海侵犯。わかりやすい武力のちらつかせ)、各国に赤軍の駐在と軍事施設建設を寮人する協定を締結。(1939年10月)

ソ連フィンランドにも同様の赤軍駐在+マンネルヘイム(レニングラード防衛上重要な拠点)とその他工業地域の割譲を求める協定を結ぶよう圧力をかけたがフィンランドはこれを拒否(1938年-1939年)

ソ連フィンランド軍から赤軍への攻撃があったことを口実にフィンランドを非難。これはソ連の自作自演であり、当時もそうみられていた(1939年11月26日)
なお、同年9月にドイツがポーランドに侵攻し各国がドイツに対して宣戦布告(戦闘はしばらく起きていない)、ソビエトポーランドに侵攻している。

ソ連フィンランドに侵攻(1939年11月30日)

ソ連によりフィンランド民主共和国を成立。ソ連としてはこれが唯一正当な政権であるとした(1939年12月1日)


国際社会から非難を浴び、各国はいわゆる経済制裁を実施。フィンランドからの提訴によりソ連が国連を追放(1939年12月14日)

赤軍は前述のマンネルヘイムおよび首都フィンランドを目指し侵攻を続ける。一方フィンランド軍は赤軍の侵攻に耐え多数の損害を赤軍に与え戦闘を長引かせるもマンネルヘイムを奪取される。(1940年2月)

停戦条約(モスクワ講和条約)が締結。フィンランドソ連の希望通りマンネルハイムとバルト海周辺の地域・島のソ連割譲を飲むことになる。(1940年3月12日)

 

ウクライナフィンランドは違いますし、ドイツのポーランド侵攻に続く形でのソ連の侵攻ではなく今回はどこかに続く形式をとらない侵攻ではあります。当然国際情勢も様々異なりますが、2月時点では開戦の経緯とフィンランド軍がロシア相手に持ちこたえ、その間に世論はソビエト批判にまわるという構図は非常に似通っていると思っています。

 

それを踏まえると、侵攻後行われるStepは以下の通りと想定されます。

 

1 主要都市の占領やウクライナ軍の損耗により、ウクライナ政府と有利な交渉が行える状況をつくる

2 停戦協定の締結。ドネツク・ルガンツク両国の承認とゼレンスキー政権の追放

3 親ロシア政権の樹立と独裁下

4 ウクライナNATO非加盟の明示

5 ウクライナのロシアへの併合を”民主的に選択"

 

5はちょっとやりすぎかもしれませんが、4までは意図していると思います。

また、ドネツク・ルガンツク両国はおそらく住民の圧倒的支持のものロシアへの併合を民主的に選択することになるでしょう。

 

ひとまず1から現状の分析を踏まえて整理していきます。

 

ウクライナ侵攻の状況

侵攻開始から4日経ちました(2月28日)が、以前キエフは健在です。

毎度見ている英国軍のレポートを見て見ましょう。

 

 

これもまた冬戦争同様にウクライナ軍がロシア軍の侵攻から防御しており、主要都市はまだ陥落していません。

ハリコフでは民間施設を狙わないというフェーズは終了し、多段ロケット弾による地上無差別攻撃が行われているという情報もでてきています。ハリコフはキエフに次ぐウクライナ第2の都市で、ここを占領されるのは国民感情的にも大きな影響を与えるであろうとことが予想されます。

 

またTweetでは触れていませんがロシアはまだ第2部隊を温存しキエフ侵攻を本格的に進める可能性が高いです。

また核への言及もされています。ウクライナ侵攻当初からロシアが限定的で小規模な核兵器無人地域に打つのではないかといわれていましたが、それが現実になるかもしれません。心苦しいですが。

いずれにしても、戦闘は今も続行中であり、停戦協定を有利なものにするべくまだまだキエフ攻略を念頭に置いた侵攻を引き続き行うと推察されます。

 

親ロシア政権の樹立に向けた活動

ウクライナ東部2州の独立は支持しましたがウクライナそのものに対して今知る限りでは別の政権が擁立されているということは無さそうです。

 

自発的にクーデターが起こることを意図していたとの見方もあります。一部情報では人民放棄を促すビラがまかれたというものもあります。

また、ロシア側の訴えではウクライナのナチ政権によるロシア人虐殺が起きているということなので、どこまで本気かはわからないですがウクライナ人によるクーデターを期待せざるを得ないのだと思います。

 

駐日ロシア大使館ツイッターを見ると本当に別世界ですよ。

 

 

 

 

最も、ウクライナ人の大統領支持率は20%近くだったということですが、侵攻後は積極的に国際社会に訴え、かつ自国軍を鼓舞し今は支持率91%という話もあります。いずれにせよ自発的なクーデターは起こりえないでしょう。

そうなるとロシアにお膳立てされた政権が出てくるほかないと思いますが、今の所そういった動きは無く、ウクライナとの交渉で政権明け渡しを盛り込むのかなというところです。

 

なお、日本時間3月1日午前0時頃からベラルーシ国境で停戦に向けた協議が行われるとのことですが、そこで停戦協定まで結ばれるとは想定していません。ロシアが非常に厳しい条件をウクライナに課すであろうことが推察されるからです。いずれにせよ協議内容が明らかになればロシアの意図がより鮮明になると思います。明日朝に期待。

 

めっちゃ尻切れですけどちょっと書くの疲れましたのでここでいったん切ります。

 

ロシア側の考えるシナリオをある程度整理できたので、今度はしっかり読み解けない経済制裁含む国際社会からの圧力に対するロシアの対応についての考察と実生活への影響、それと中国について分析できればなあと思います。

 

あ、書き忘れていた。これらの分析なりなんなりは完全に素人の妄想ですのでよろしくおねがいします。

【ネタバレあり】神の火(髙村薫)を読んだ

髙村薫「神の火」の新装文庫版上下巻をようやく読んだ。元々はソビエトのスパイものの勉強のために手を出したのだけれど、実際にはスパイものとしてよりも国家機密を巡るミステリーとしての色が強かった。

 

しかしそれ以上に圧倒されたのは髙村薫の特徴でもある緻密な取材に裏打ちされた圧倒的な精度を持つ情景描写だった。大阪あいりん区の街並みから冬の若狭湾の暗く湿っぽい海の描写まで、読者の想像力を押しつぶすまでの描写が続く。読んでて面白いとかそういう次元ではなく、この緻密な描写によって物語の写実性が増し、臨場感と緊張感を醸成する。


その一方でキャラクターたちはどこか非現実的だった。このギャップが面白いのかもしれない。主人公の元技術者で、現在は学術書出版社に努め(それも退職するが)、元はソビエトのスパイであり、後にテロリストとなるクウォーターの主人公島田(もうこの時点で属性てんこ盛りである)。島田の旧友で野蛮で粗暴で半分ヤクザであり、暗部の恐ろしさと子供のような無邪気さを併せ持つ日野、島田をスパイに仕立て上げた育ての親とも言うべき男で、ダンディズムの化身である江口。島田の前に現れたソヴィエト出身の金髪蒼顔、そして彼もソヴィエトのスパイである高塚。

これくらいが主要人物だ。男だらけであるが、なんともまあべたべたとした男同士の友情というか確執が随所に散らされ、それは物語を追うごとに強くなっていく。

この感じは、ある意味セカイ系っぽいなと思った。いやなんでもセカイ系言うんじゃねえって話だな。うん。訂正します。

 

 

ということでちょっとその感覚について書いておくわね。

 


神の火のクライマックスはすべてを投げ捨てた島田と日野が若狭湾にある原発にテロを仕掛けるというものだ。テロの後、島田と日野は原発施設から脱出する手はずだったが、日野はライフルを片手に残り、警察と撃ち合いをすると言って脱出を拒否する。その日野を島田は説得することもせず、ただ抱き合い、背中を叩き、あっさりとした別れの言葉を口にして今生の別れを告げる。


このやりとりが、小学生くらいの自分の感覚に似ていてどきりとした。家庭と学校という狭い世界だけで生きていて、信じられるものは家族よりも毎日学校で長い時間を過ごす友達だった。友達との縁だけがすべてと言っていい頃。そしてまだ恋愛感情というものが芽吹いていない頃だ。

 


この時期に出来た友人とは、どれだけ期間が空いたとしても、再び出会えば「久しぶり」くらいの挨拶を済ませればすぐに”あのころ”に戻ってしまう。緊張感も探り合いも無く、何より相手を尊重して深入りすることも意見することもなく時間を過ごすことが出来る。もちろん、幼少期と比べて変わってしまったところなんていくらでもあるけれど、それはすべて「こいつも色々あったんだろうな」の一言で片づけてしまうのだ。そんなある意味幼稚で、ある意味神聖な関係を紙の上から見ることが出来たのは幸運としか言いようがない。この関係性が、原発にテロを仕掛けると言う荒唐無稽な計画の理由としているのは、ドラマ作りとしては上手いと思った。だって、理由じゃないんだものね。

 

 

 

 

それにしてもオチはちょっと物足りなかった。下巻の半分以上を割いて原発へのテロ計画の準備(それこそ、爆弾の調達、潜水服やらザイルやらの調達とテスト、から海上での施設の観察それも監視カメラひとつひとつのレベルまで、地図を用いた侵入ルートの算出、従業員数の計上に至るまで)の描写を積み重ね、いざ計画を実行し、それがすべて終わった所で……うんやめとこう。というか壮大な計画の根底が無邪気な好奇心な時点で、オチは難しいというかそれを納得させるオチを用意することはできないだろう。作者の気持ちになって考える(みんなも勉強したよね。僕国語の成績良かったんで得意なんですこれ)とそんなもんかなという感じ。

 

 

 

あとは全然関係ないといえば関係ないのだけれど、なんか好きな女性作家さん大体大阪というか関西出身なんですよね。で、そうなると所謂日常パートが関西になってることが多くて、会話も関西弁ばっかりになってしまうんですよね。ウルトラ個人的な理由なんですが関西弁あんまり好きじゃなくて……いや耳障りとかそういうことじゃなくて、文字として関西弁を起こした時に簡単に誰が話しているのか、どういう状況のかが明示されてしまうのが嫌なんです。なんか安直に思えて。そういう理由でカギかっこが並ぶあのSS形式も好きじゃないんです。楽するのが嫌いらしい。うん、自分アホくさ。

 


そのうち書くけれどC97の新刊の参考にしようと思って読んでた本がこの神の火なんですが、実際には1巻読み切って2巻さしかかる辺りで原稿作り始めてました。やったらめったら長い生活パートがあるのは明らかにこの神の火の影響ですね。でもキャラクターの関係性の深さや実在性()を高めるための一つの方法として有りと思ったんですがどうでしょう。元々住んでいた新潟が舞台だから、緻密に書こうと思えばいくらでも書けてしまうので、逆に加減が難しかったですね。もう少しあっさりかけるようになろうと思った次第。

 


元々この話は某同人作家の渡辺零(https://twitter.com/watanabe678)さんが昔言っていたのを思い出し、ソビエトが云々だったな~~~ということがフックとなって手に取ったという経緯があります。その時、渡辺さんは「男同士の湿っぽい話」ということをおっしゃっていて(もっと他にも言っていたはずだけどこの一言が一番僕の記憶に残っていた)、それを期待していたんですが、大変そのとおりでした。

 

恋愛とかじゃなくてこの相手への執着と言うかなんというか。特に高塚(フルネームは高塚良で作中では良と書かれているので、以後良と書きます)の登場から退場の仕方と絡ませ方は見事でしたね。田舎の祭りの最中に出会い、そして大阪で再開し、時折交わすロシア語での会話は秘密のやり取りで、この関係の作り方もまた子供っぽさが見えてワクワクするわね。

 

そして具合の悪そうな良に何かと世話を焼く日野と島田という構図も、初めて後輩が出来た小学生高学年男児感があって、それは幼稚さというよりも逆に人の精神構造の根底に触れているような感じがした。作者は女性だからこそ、こういう男性の幼稚さを見抜いているのか。そういえば髙村薫は結婚しているのかしら。調べたけどわからないが、ここまで男性を抉っていると生身の男性が魅力的に見えないかもしれないなと思った。生々しくてかっこよくはないもの。そして身勝手。男って本当に仕方ないわねという感想しか出てこない。

 

 

それにしても読むのが大変な作品だった!けど最高傑作として名高いマークスの山とかリヴィエラを撃てとかレディ・ジョーカーとか大作が控えているのでいつか手を出したいとこですね。

 

(布教用リンク。アフィリエイトははいってません)

 

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【ネタバレあり】「百合文芸小説コンテスト」受賞作全部読んで百合を完全に理解した(してない)

コミック百合姫×pixiv百合文芸小説コンテスト」という催しがありました。

一応Pixivで駄文をボロボロ書き殴っていて他の媒体には手を出していない(カクヨムはアカウントだけある状態。)ので主戦場はpixivってことになるのですが、通知を切っているので投稿する時しか基本見ません。

そもそもpixivは絵を載せるサービスが主体なので小説媒体は元々リアクションをいただくことはほぼありません。おそらくぼくの小説は多分コメント貰ったことないんじゃないかな?ブクマとかは多少あるみたいだけど。
そういう訳でファイル共有ツールとしてしか使ってなかったわけです。

 

しかし今年の初めにまず初期微動的な衝撃がありました。懐かしいですね、毎年話題に挙がるセンター国語のネタです。古文の問題に抜擢されたのは「玉水物語」でした。

 

玉水物語を読んで百合やべえなで始まる2019

玉水物語は超ざっくり書くと姫君に一目惚れした一匹の野狐が、姫の傍に居たいと願い人間に化け、人間の子供として育てられた後に宮中に出され、姫君と再会し一緒に互いに無二の存在として過ごします。
この物語の珍しい所は野狐が化けたのは男ではなく女というところ。(明言されていないが狐はオスと解釈されている。よって男の娘という解釈もできるが脱線するのでここまでにしておく。)

狐は玉水の前という名前を貰い、意中の姫君に仕え、物の怪に憑かれた時は怨霊を説き伏せ、紅葉狩りの競争には兄弟狐にお願いして綺麗な紅葉を手に入れて姫君を勝たせたりと微笑ましくも睦まじいやりとりが描かれています。

そして姫もまた玉水の前を大変に寵愛しており、昼夜傍に玉水の前を仕えさせるだけでなく、(元が狐なので)犬を怖がる玉水の前のために宮中を犬禁止にしたり。愛です。

ただ、この物語は最後は別れで終わります。玉水の前が獣の出であることを告白することも出来ないし、このままずっとお仕えすることもできないと儚み、宮中の動乱に乗じて不意に姿を消します。直前に玉水の前が姫に箱を送り、玉水の前が消えた後姫が箱を空けると玉水の前の正体と姫の幸せを願う宝物が入っている。それを見て姫は玉水の前の一途さに心打たれる所で終わります。

平民と姫君という身分どころか狐と人間の種族すら超えた関係性。そんでもってNLにありがちな肉体的などうこうな描写は何もなく、ただただ、二人の思い出が重なっていくストーリー。ハンパない衝撃を受けました。これを600年前に書いたご先祖様スバラしすぎます。大感謝です。

そんでもって、百合大賞

玉水物語の衝撃で百合……ええやん……になってしまいましたがウルトラ初心者もいいとこでそれ以降特に動きがありませんでした。そんな時に百合対象です。確かTwitterの文芸沼の人が、Pixivで百合文芸コンテストがあり、結果発表が云々ってことを言っていたのを見かけたんだと記憶してます。普段は流しちゃうのですが、その情報には受賞作複数が載った作品が無料で配布されるということが含まれていました。ドケチなぼくは無料配布の言葉に弱い上、ちょっと興味を持ち始めた百合分野の短編をバカスカ摂取できるというのならこんな良いことないじゃんと思い即GETしました。

これが表紙です。爽やかじゃねーか……

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この厚さでタダはすごすぎ

 

ぼくは結構短編集それも複数作家が揃うアンソロジーものが結構好きで、理由はCDジャケ買いする人同様にいろんな作家のいろんな文が読めるからです。その中で良いものがあれば繰り返し読むし、いいものが無かったら「誰だこの企画立てた奴は!!!」と怒り狂いながらブックオフに向かうゾ。

で作品一つひとつについて触れることはしませんが、どれも素晴らしい作品でした。ジャンルも良くある高校生同士から、社会人と学生、中学生同士、姉妹、はたまたオカルトチックな獣憑やファンタジーな異種族間までかなり守備範囲が広かったです。話も青春モノからギャグ、ミステリーまで。選考過程はわかりませんが、幅広い設定の作品が書かれているというよりも設定レベルでは被りのない作品が選ばれたんじゃないかなって印象を受けました。普通に考えれば学生青春ぽい作品がパイの殆どを占めていると思いますし。

勿論内容はすべてオリジナルというところも良い。二次創作ばっかりやってますけど、やっぱり一次創作に力量が現れると思うんですよ。特に書き始めで、初手からセリフ打っておけばキャラクターと情景が自動的に浮かぶ二次創作と違って、場所と時間と主人公の外見と内面を説明しつつ作品に読者を引きずり込まなきゃならない一次小説はキャラクターの造形から内面まで設定をし、背景の場所・時間帯まで、そしてそれらを効果的な文学的装飾で彩ったうえで説明している。これは芸術というよりも職人的技術が依り合わさったものに感じており、どの作品もいかに最初の一行から読者を取り込むかを意識して書かれたものであった。

 

そして作品について。どれも素晴らしいものだった。勿論好みはあるのだけれど、読者を引き込むような仕掛けや共感するような場面の展開などなど、底辺アマチュア字書き(もうずいぶん書いてないので字書きを名乗るのも烏滸がましい)のぼくは感心しっぱなしであった。

特に印象に残っているものは2つ。

 

ひとつは「りん」氏の「夜が明ける」。

www.pixiv.net

まず設定が特殊も特殊で、百合なのか?と言われると百合ではないのかもしれない。なんで百合じゃないと思うのか?そもそも百合ってなんだ?そんなことを考えさせられた。

少なくとも、この物語には生物学上女性がふたりいる。片方は男性の恋人(これもそう言っていいのかわからない。同棲しているが手すらつないでいないのだから。でも肉体的な接触の有無で関係性を定義することはできないよね)と、その恋人の妹がいる。それぞれが、その男性を軸に交差する。という話。田舎の風景描写と柑橘系の香りを纏いながらも、田舎特有の大きな事件や刺激のある生活ではなく、静かに、重く暗く動く。なのに不思議と警戒に読めてしまう不思議な小説だった。
この話の女性の片方は、自らの女性性を否定していた。胸を潰し、髪を短く切り、一人称も”俺”にしている。そして妹は「兄ちゃんのすごくきれいな彼女」として女性を見ている。そんなちぐはぐな設定だった。

この女性と妹、勿論恋人と兄である男性それぞれが心に傷を抱えており、それがふと漏れ出して交わう。ただ、直接相手のことをどう思っている、という宣言は最後までなされないのだ。妹は女性に憧れ、女性は妹を慈しんでいるが、それは具体的にどういう感情なのかは明かされず読者の方に投げ出されている。それが良い。隠遁な田舎の空気が曝け出さないまま終える展開に説得力を持たせ、独特の読後感があった。こういう空気感と構成が合致した話は心に刺さる。

 

もうひとつは「常」氏の「十三番街のカレイドスコープ

www.pixiv.net

これは大学生の主人公が十二番街までしかない町の十三番街に誘われるところから始まる。明らかに人の世のものではない世界の怪しい描写をいきなりブチ込む。そこから、人外に憑かれた姉妹の不思議な昔話とうまくなじめない大学生活と二つの時系列を交差する。

最初の人外世界の描写に足を踏み入れた主人公と読者を重ね合わせた上で、主人公もまた”普通ではない”ことを少しずつ明かしていく。病弱な姉、部活という狭い世界に精神を揺さぶられる学生時代の記憶。青さと猛々しさが生臭くて、誰でも少なからずあるであろう学生時代・10代の後悔のような痛い思い出のようなものを掘り返す。そしてその事件の後に姉はふっと消えてしまう……という、まさに御伽噺。

話そのもののネタバレはともかく、これの作品はこういう現代御伽噺が好きという事のほかに、まーあわかりやすい姉妹という禁断の関係に堂々と触れている点。

こういう禁断の関係に触れるのは王道で、というのも身分違い、近親という障害そのものが盛り上げるためのシステムになるわけだが、この話は姉妹という関係は障害でも何でもない。これにビビりました。

いやこんなにスルーすると思わないじゃん。むしろ関係ないね!と触れずに書き連ねている所に感動した。そうだよ。生まれ、血のつながり、そんなものは関係ないのだ。

 

で、何が言いたいの?

百合作品に少し触れたわけですが結論百合って性別は差でも障害でもなく、ただ人を好きになるという点を肉体的な、物理的な側面を排した形態で描かれている作品の一つの極致

という結論に達しました。

男女ならではの挿れるもの受け入れるもの、男性同士でも同様。でも女性同士なら?受け口だけの器官は持て余す。そのいじらしさ、満たされなさを超えたところに描かれる心と心のつながりか愛なのだ、百合というジャンルなのだ、という結論になりました。

酔っているのでこれ以上語れませんが第2回pixiv百合文芸コンテストが開催されています。

https://www.pixiv.net/novel/contest/yuribungei2

 

マジで応募するか、応援してくれよな。ではまた。

艦これリアルイベント「深海大サーカス「不思議の国の1YB3H」-1YB3H’s Adventures in Wonderland-」に行き、期待通りの実写化すぎて圧倒された

 

 

艦これリアルイベント「深海大サーカス「不思議の国の1YB3H」-1YB3H’s Adventures in Wonderland-」の令和元年八月十日の夜の部(17:30開場18:30開演)に行ってまいりました。



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その日は午前中は幕張メッセFate Grand Order Fesが開催されており、朝六時過ぎに家を出て午前中はそちらを回り、午後は舞浜でひたすらビールを飲んで過ごし、完全に出来上がった状態で見に行きました。

 

その日はピーカンに晴れていてめちゃくちゃ暑く、物販も気になったので見に行こうかと思いましたがまさかの炎天下遮る物ナシで二時間は待つんじゃないかという列が形成されており、すべてをあきらめてビールに逃げていました。仕方ない。


ということで物販とかは全然触れずにストレートに本編の感想をぶちまけます。感想と若干の独自考察ですね。

 

じゃさっそく。

 

【入場から開演まで】

開場のアンフィシアターに入場すると既にチラ出しされている深海大サーカスのために書き下ろされた大越氏の新曲「磨鎖鬼」(テーマ曲とは明言されていないけどおそらくそう)がループでずっと流れています。
こいつですね。

 



超今更ですけど、今回のイベントの名前を再度確認しましょう。「深海大サーカス「不思議の国の1YB3H」-1YB3H’s Adventures in Wonderland-」ですね?


「不思議の国の」と言えばご存じルイス・キャロルの児童書「不思議の国のアリス」モチーフなのはもう誰にでもわかります。


出演者を見なくても1YB3Hは第一遊撃部隊、第三部隊。西村艦隊のコードですね。


ということでこれは「西村艦隊が不思議の国のアリスの世界に迷い込むとかそういう話かな~」とか誰でも思うわけですし、先行公開された新曲も時計のカチコチ音が入っていたのでこれもう間違いないでしょう、と思っていました。

艦これは世界観はともかく設定が曖昧なので、最初からヒントをドバドバ出してくれると安心してみることができますね。感謝です!

そんで開演時間になります。
この後の内容は備忘兼ねて書いているのでネタバレありなのですが、上述のとおり西村艦隊で不思議の国のアリスモチーフってのはもう明らか。そこまで重大なネタバレはないと思います。
気になる人は読まなくてもOKですし、読んでから見に行っても全然楽しめると思います。
あと出演艦娘は公演によって異なるようなので、そういう意味でも読んでしまっても楽しめるかと思いますね。

 

公演開始直前に、録音録画禁止のアナウンスがなされます。そりゃそうなんですがなんと、声が、時雨!!!!!!タニベユミさん!!!!!
おそらく録音じゃない。艦娘実在感がすでに押し寄せてきます。いよいよ開演!!!音楽のボリュームが上がり、ステージが暗く沈みます。

 

【開演!!迷い込む西村艦隊】

そんで暗転後、サーカスの始まり始まり。舞台上段にいる道化っぽい衣装の二人の間、中心に存在するのは勿論あのお方。深海磨鎖鬼。ステージの中心で意味深なセリフを述べながら部隊の方々を流し目で睨みます。
「過去と未来をつなぐ……」云々。磨鎖鬼のカッコよさにしびれて細かいセリフを覚えていませんが、深海へ誘うようなセリフが多かったような。

 

再び暗転すると、スクリーンに巨大な懐中時計が映し出され、カチコチ音が聞こえ、ステージの奥からウサギの耳と尻尾を付けた秋月が登場します。
え?????秋月??????君西村艦隊関係ないよね???????

 

「急がないと……!間に合わない……!!秋月、がんばります!!!」

 

って声!!!!本物じゃねーか!!!!!ステージをぐるりと回り舞台を突っ切って行きます。

 

元ネタとなっている不思議の国のアリスでは、主人公の女の子のアリスが人語を話すウサギを追いかけるのですが、有名なDの映画では時計を片手に「このままじゃ(ハートの女王のお茶会に)間に合わわない~」と言いながら走っていきます。
そのイメージなんでしょう。ウサギの耳が何でついていたのかとかはまったくわかりませんが。
あと、前日の公演ではガンビア・ベイだったそうで日ごとに変わる様です。後半は誰になるかなー……予想できん。

 

秋月が掃けてからは記憶が曖昧なのですが、深海棲艦であろう仮面を付け黒いスーツをまとった、イメージとしては雷巡チ級、軽巡ツ級みたいな演者が大勢やってきます。

チ級.png

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チ級。雷撃が痛すぎるのできらい。


音楽に合わせてダンス、エアリアル(大きなリボンが天井からつり下がってきて、それにつかまりながらいろいろポーズをとるやつ)、それとインラインスケート(僕の世代ではローラーブレードと言ってましたが正式名称はこっちっぽい)で舞台を軽やかに舞う。
この辺がサーカスなんですね


僕はサーカスはもう小学生とかそれくらいに一度見たっきりで、しかもその時は猛獣使いとかいるデカいサーカスでした。あと近いのは上海で雑技団を十年ほど前に見たくらい。今回のように音響と照明を組み合わせたサーカスステージは初めてで新鮮でした。

しかし・・・何より・・・

 

音楽が!!!!!!艦これゲーム曲をそのまま使っているッッ!!!!!!!!!
しかもっ!!!!!!!!!!イベント後段海域の暗く冷たくかっこいいやつ!!!!!!!!!!
確か「深海への誘い」だ!!!!!!

 

アンフィシアターで大音量で艦これゲーム曲を全身で浴びて雷巡チ級が立体的にうごめくのはそれだけで艦これワールドの深海の風景に思えます。背景も暗いし。

曲が途切れると、そこには……満潮、時雨、山城の三人が。あっ衣装がポスターのこれと一緒になってる!!!!
この3人は声優さんが演じられています。演じているのでマジ本物です。だって声が本物なんだもん……ちょっとしたやり取りをし、落ちているトランペット(!??)を見つけ満潮が拾い上げます。

 

「ナニコレ?喇叭?」
「不幸だわ…………ハイ時雨」
「えっ」

 

というトランペット受け渡しのやり取りをしたのち、あのチ級集団が現れ部隊をぐるりと回り、一か所に固まります。

 

「右舷前方、カ級の群れを発見!」

 

時雨が指をさした背後から、あのウサギ耳を付けた秋月が走りながら現れ、「急がないと!」的なセリフのを残して舞台から退場。西村艦隊の3人が、あの防空駆逐艦を追いかけよう、と秋月を追いかけるように走り出しやがて舞台から消えます。

 

再びツ級たちが跋扈します。途中から西村艦隊の三人が現れ、深海棲艦にまとわりつかれる、ゴムボールによる魚雷攻撃を受けるといった攻撃に晒されます。
西村艦隊も抵抗します。フラッシュ閃光とズガーンという発射音、そして満潮、時雨の攻撃モーション。満潮は片手の連装砲を、時雨は両手に持った主砲を発射するポーズをタイミングよく決めています。


今更ですがこの人たち声優ですよね???なんでミュージカルやってんすか?????めっちゃ動くし。声じゃなくて体使った演技してるんですけど。俳優では。

 

確か、この戦闘の前後で時雨が山城から渡されたトランペットを鳴らします。けっこうデカい音だし生音っぽい感じ。マジでトランペット吹けるかタニベさん。こりゃあ次の艦これアルバには時雨をトランペットで入れなきゃな(???)

一旦戦闘が落ち着いたのち、再び時計背景に何かを追いかける秋月が登場し、また舞台を走り回って退場した後に深海磨鎖鬼が一人で登場。

 

”そうだ、進むがいい。ここから先は、よく知っているあの海峡だよ”


海峡。スリガオ海峡。荒々しい低音のイントロが客席を包む。珍しくイベント期間中に公式から曲名が発表されたあのイベント海域最終ボス曲「西村艦隊の戦い」が流れます。
わかっていたさ!!!西村艦隊なんだからスリガオ海峡モチーフやるって!!!!でもこんな素直にやる??????期待に真正面から応えてくれた!!!!!!!!!

実装順ではないものの(ぶっちゃけまったく気にならない)、戦闘BGMにのって西村艦隊は深海棲艦と戦闘を続けています。
サーカス集団はボールの他、LEDで発行するフラフープも登場、あの手この手で楽しませてくれています。満潮や時雨は転がされるフラフープの輪をくぐったりと、あんたら声優ですよね?的なムーブをこなしています。本当にめっちゃ練習したんだろうなぁ。

 

【戦闘が佳境へ。そしてどんどん飛び出る演出】

さてさて、ご存じ、AL/MI作戦イベントの最終海域ボス戦曲「シズメシズメ」から深海モードのBGMではたまに声が付いてくるようになりました。
今回、それも再現したんですが生歌なのはまあいいんですよ。作曲家の大越氏が声当ててると聞いていたけどミキシングとかでいじってるし、別の女性歌手でも全く気にならないはず。

 

しかしなんと、シズメシズメ生歌がガチプロのバリトン歌手で披露ですよ??????は?????????ってなりましたね。


登場も唐突だし衣装は普通の黒服だし。ぶっちゃけ混乱しまくって何が起きてるかわからん!!!世界観どうなってんだこれ!!!!てか誰?????バリトンのシズメシズメ圧がすげえな!!!!


となり、個人的にはどうせなら深海ぽい黒ドレス纏った女声が出てくると思ったので正直戸惑ったんですが、そもそもプロの歌手を用意してくださったことに感謝しました。しかもほら、ポップスとかじゃなくて。


だからこそこんなオタクイベントで歌うのはじめてだったんだろうね。シズメシズメが流れた時には赤いサイリウムの海に観客席が変わっており、その光景を見てちょっと笑ってた気がしました。午前はテノール歌手の方だったそうで、これも公演ごとに変わるみたいですね。後半は女性くるか・・・???


一方ステージでは、生歌シズメシズメから生歌モドラナイノがプロバリトンで砲撃され、西村艦隊は防戦一方となります。どうなるどうなる。
固唾をのんで見守っていた時に、個人的最高アガルポイントが来ます。

 

時間を少し戻しますが、直前に吹いた時雨のトランペット。あれはなんのモチーフだったのか。不思議の国のアリスにおいて最初にアリスの目の前に現れる時計を持ったウサギがいますが、最後のハートの女王の前で公判を下すときにラッパを吹く描写があったりなかったりするだけ。それ以外だとハートの女王の配下であるトランプ兵のうち、女王の登場などで鳴らされるくらい。モチーフとしては弱い。じゃあ何なんだろう?と思っておりました。

 

答えは此処にありました。(多分)

 

攻撃に晒される西村艦隊。特に満潮と時雨が集中してやられ、山城が二人に駆け寄ります。その時、不意に客席通路を切り裂く三人。たなびく白いマフラー。川内、神通、那珂の川内型軽巡姉妹、それも改二仕様で登場!!!インラインスケートで部隊をびゅんびゅん飛び回り、片手を突き出せば轟音と共に前方にいる深海棲艦が散り散りになります。
時雨のあのトランペットは援軍要請のラッパだったのです(独自解釈)!!!

 

覚えていますかレイテ沖イベントの前編を。あれは最終海域で友軍艦隊が助けに来てくれるという新しいギミックが実装されました。

しかもボイスとカットイン入り。あの演出に涙した提督は数多いはず。それと似たようなことが目の前で起きている・・・

 

なによりも神通は嫁艦ですので・・・これは・・・もうだめだッ!!!!!!!!!!


落ち着いて舞台にもどりませう。

水雷戦隊の援軍により体制を立て直しつつある西村艦隊。川内型の三隻が離脱後、山城が奮起します。舞台中央で片手を前に。

 

「邪魔だ・・・!!!どけええええええっ!!!!!!」

 

出たーーー!生の山城の邪魔だどけぇ!!!!!!
元はイベント限定戦闘ボイス。普段はぐちぐち陰鬱に不幸だわとか言っている山城があのスリガオ突入の時は勇敢な戦士になります。


それを象徴するこのセリフが実写(もう実写といっていいよね)で見て聞いている。いややってくれるかもって思ってたよ???思ってたけどマジでやるとは。
注文した商品がその通り出てくる安心感。ファーストフードじゃ当たり前だけど映画とか舞台とかではなかなかないのに。すごいですよこれは。

 

さらに追加で、今度は金剛型姉妹が援軍に駆け付けます。これもまた熱かった。というか二回も援軍来ると思わないでしょ。


彼女らもまた川内型同様にインラインスケートによりビュンビュン飛ばしてステージを走り回りますが、金剛、比叡、榛名、霧島それぞれ見せ場が。
舞台中央でそれぞれのキャラクターの雰囲気に合わせたソロダンス+砲撃という艦これアーケード感溢れる演出!!!その後金剛、比叡と榛名、霧島の二手に分かれて縦横無尽に駆け巡り敵艦隊を蹴散らします。
史実だと金剛、榛名と比叡、霧島で組むことが多かったのですがこういう組み合わせでしたね。お姉さまとセットでよかったね比叡!!!

 

【終盤。決着とエンディング】

山城と金剛型姉妹の奮戦により、いったん優勢を取り戻したかに見える西村艦隊。無事に海域を離脱するかのように舞台から姿を消しますが、深海棲艦はまだ残っています。
大きなヴェールをステージ上に展開したり、何か怪しい動きをしている。不意に中心から何かが落ちてくる。地球儀の枠だけを切り抜いたような球体の中にうごめく影。

 

ゲームやってたら知ってますよね。海域を突破するにはボスを倒さないといけないってことを。スリガオ海峡夜戦の最深部にはイベント限定ボス、海峡夜棲姫が立ちはだかります。
このボスの特徴は、ふたりでひとつってところです。明らかに扶桑型の二隻を象った、白と黒に塗り分けられた二人。
ボールが降ろされ、帯を登ってエアリアルの演技が怪しく始まり、悲痛な叫びが聞こえます。

「ココハトオレナイシ……トオサナイノヨ……」
「ココハ……ジゴクナノヨ……」

これは、海峡夜棲姫のセリフです。ゲームと同じセリフです。声もおそらく山城と同じなので生です。すごすぎ。完全に泣いている。

 

不思議の国と言いつつ、ここまで完全にレイテ沖海戦前編の再現でした。背景には青白いケシの華が。これも海峡夜棲姫のビジュアルに書かれていた花です。そういうところも合わせてきてすげえイイじゃん。

 

ここまでも、そんでこっからもずっと過去のイベント曲が流れていて、めちゃめちゃ聞いてたし何なら演奏したこともある訳ですから大音量で聞けるだけで圧倒されています。

 

そしてマジモンの西村艦隊が再び登場しますが、敵中枢の攻撃に晒され劣勢も劣勢。援軍ももう期待できんだろうしどう打破する!???がんばれ西村艦隊!!!!

山城、時雨、満潮が床に伏せている姿を見てそう思わずにはいられないです。流石に叫ばなかったけど。気付けば海峡夜棲姫は残り一体、つまり海峡夜棲姫-壊になっています。この演出も憎いけれど、まだ健在ということは作戦失敗なわけで、海域突破できていないわけで……どうする……!!!
しかもリアルでこのタイミングで部隊が揺れます。最初は音響とかによる震えとか、自分の感覚が狂っただけかと思いましたがリアルに地震だったようです。舞浜の地盤は堅牢ではないでしょうし、気持ち悪い揺れが続きました。ただ、それもまた演出のような効果になってしまいました。

 

 

そんな混乱と狂気のステージに光明が差します。こっからはさらに記憶が曖昧ですが、強力な友軍が三度目の登場を果たします。

 

現れたのは阿武隈、暁、響の第一水雷戦隊と矢矧、睦月、如月の第二水雷戦隊!!!

 

エッまだ援軍来るの???阿武隈は開戦時の第一水雷戦隊旗艦、ちなみに第二から第四までは神通、仙台、那珂だったので開戦時の水雷戦隊旗艦は全員登場したことになりますね。そして、あの坊ノ岬の時、実質最後に作戦遂行した第二水雷戦隊の旗艦が矢矧でした(正確には矢矧沈没後旗艦を初霜に譲っていますが)。これはそんなに気にしていなかったんですが、時系列があやふやになっており、モチーフの「不思議の国の」を体現しているのかもしれませんね。考えすぎだろ。

 

駆逐艦四隻はエアリアルで客席通路上に伸びたリボンを登り、阿武隈と矢矧はインラインスケート。ステージがスポットライトが複数差し込み明るくなります。

そこに現れる、白の海軍二種清掃。インラインスケートを操る姿。


無良提督!!!!!!!!推参!!!!!!!!!!!!


ここが最大のサプライズというか、盛り上がりでした。思わずおおーと言ってしまったよね!!!!
提督の登場で士気がもりもりアップした艦隊により海峡夜棲姫含め敵艦隊は全滅!!!S勝利!!!!!!!海域突破!!!!


興奮でよく覚えてません。西村艦隊はなんかセリフ言ってたかも。とにかく、無良提督の登場でもう観客は勝利確定な雰囲気になり、提督はセリフも無く敵艦隊の壊滅を見届けた後艦娘たちと姿を消します。
そしてステージには秋月が。そして、巨大な時計がスクリーンに映されます。

 

「間に合いました……!!!」

 

ここの感想に触れる前に、もう少しステージを注視しましょう。秋月が時計を戻し、また走ってステージから退場。替わりに深海磨鎖鬼がひとり佇んでいます。
冒頭の時のように、意味深な発言をしていますが、重要だと思ったのは、というか覚えているのはこのセリフ。

 

「私は磨鎖鬼……深海磨鎖鬼……船の鎖を磨くもの」

 

深海磨鎖鬼は京本政樹の当て字ってだけじゃなくて意味付けもちゃんとあったのね。
そしてセリフ詳細は覚えてないんですが、過去と未来をつなぐ、というキーワードがありました。開戦時の水雷戦隊と終戦直前の水雷戦隊旗艦が会するあの戦場は、まさしく時系列が曖昧になっている瞬間ということなんでしょう(独自解釈)。

秋月を追って迷い込んだのですが、秋月もおそらく幻の存在なのだと思います。理由は簡単で、モチーフの不思議の国のアリスはいわゆる夢オチだからです。物語の最後では、アリスは姉の膝枕で目覚めるところで終わります。

 

深海磨鎖鬼が去った後、ステージには西村艦隊の三人が立っています。背景は暗い夜に浮かぶ丸いおおきな月。秋月はいません。ここもまた、秋月は幻という結論を後押ししてくれているのでしょう。
山城が、大きな月、とうっとりするような声で呟いたのち、エンディングを迎えます。西村艦隊による月夜海です。
実は、声優さんの歌う月夜海は依然ズイパラ(レッパラ)の場外で聞いていたのですが、音響のせいか縦が全然合ってなくてめちゃくちゃ気になっていました。でも今回は密閉されたホールの中です。完璧でした。
山城、時雨、満潮へのアイコンタクトなどもあり、そもそも曲がハチャメチャに良いので(いまだに母港オルゴールを鎮座させてる)それだけで感動しました。

 

 

 

 

以上。

 

カーテンコールがあってイベント情報(リベッチオ水着と十一号作戦とうきわ亭(?)のアーケード実装、次回夏イベは8月下旬に欧州方面)が流れ、おおーとかワハハとか言って終わりです。まあ千秋楽じゃないしね。そうよね。


というわけで大変満足でございました。
時系列がかなり怪しいんですけどね。不思議の国のアリスモチーフというところと、激熱友軍艦隊と、イベント曲そのまま使って山城の生「邪魔だ……!!どけぇーーーー!!!」が聞けたという期待通りの出来でございました。みんな見よう!!!!!もうチケットほとんど無いと思うけど!!!!!!


また行きたいですが帰省で関東を離れているので、見た人はぜひ語り合いましょう。
そして艦これ熱が高まった貴方、フルオーケストラで艦これの音楽を入場無料で聞けるすばらしい企画があるので是非観客(弦楽器と打楽器できる人は奏者でも)として参加しましょう。

http://albaorizzonte.web.fc2.com/

albaorizzonte.web.fc2.com

公式Twitterもあるよ!!!!!!!!!運営は安心の甲提督だよ!!!!!

twitter.com

 

おっと、8000字超えてるじゃん。相変わらず書きすぎ。ではね!!!

 

家族連れバリはいいぞっていう話1 空港~ホテル編

平成の終わりから逃げ出すように2019年GWは海外へいっておりました。
具体的にはインドネシアのバリ島へステレオタイプなバカンスをしておりました。


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バリ島には3泊4日の滞在で、GWの混雑で直行便は確保できず乗り換えで台湾に前後1泊しています。ハイどうでもいいですね。


というわけで今後またバリに行くときの備忘やバリ旅行の参考も兼ねてつらつら書こうと思います。
なお、妻&1歳9ヶ月の娘と行ったので子連れファミリー目線でお送りせざるを得ません。ご了承を。そしてまた長くなったので分けて投稿します。

 

まとめはこんな感じ。

 

・バリへは片道6万~で8時間ほどで行けるけど子連れはTransitで休憩挟むのが良い。
・空港から脱出するにはGrabがオススメ。Uberはサービス外。白タクは使うな。
・泊まったホテルはMulia。インドネシアの帝国ホテル。6つ星で1部屋3万~。
・サンダル持参で夜明けを見て、日中はプールで過ごすのが良い。
・Mulia Kidsという子供向けスペースが神。そこに子供を預けて新婚気分に浸ろう。

 

とりあえずバリに降り立つには航空券をゲットして日本から脱出しなければなりません。
バリ島までの便は、時期によりますがLCCで7~8万円あれば飛べます。ちなみに、直行便はウン十万の世界なのであまり選ばれないでしょう…。
Skyscannerで2020年のGW近辺を見てみたところ、こんな感じですね。出発は東京(成田または羽田)で、着はデンパサール空港(Ngrarai international airport)です。

 


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さて、フライト時間は直行便ですと8時間ほどですが、安いほど台湾などでの乗り換えが発生します。
そうするとほぼ1日ロスしますが、小さいお子さんがいる場合連続8時間フライトはかなりの負担でしょうから、Transitで飛行機内にいる時間を短縮するのは正解だと思います。
成田、羽田の攻略はいろいろなサイトが攻略法を書いてくださっているのでそちらを参照ください。
(ぶっちゃけ日本語が当然通じるので不安も苦労もほとんど無いと思いますが)


というわけでバリ島の玄関口、デンパサール空港へ飛びましょう。
比較的小さい(ドイツの各都市の空港くらいなイメージ)で、国際線のターミナルは1つしかないので迷うことは無いでしょう。
ざっくり、空港の位置と周辺の地域、あと空港内部はこんな感じです。

Immigurationは非常に混雑します。特別会員や高齢者やお子さんがいらっしゃる方は優先ゲートを利用できますが、ゲートを抜けたからといって預かり荷物のピックアップもかなり時間がかかるので少なくとも1時間は着陸後必要と考えてください。友人は3時間かかったそうです。きっつい。
しかもDepatureは他の空港同様特に時間をつぶせる場所が無いので、ひたすらに待つしかないです。
一応Welcome to Baliみたいなオブジェやカッコイイ彫像などがあるので、そこで記念撮影してもいいですね。それでもつぶせる時間には限りがありますが。


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ようやく入国手続きを終えてゲートをくぐると、高い天井とヒンドゥー教の建物の特徴である大きな割れ門が見え、リゾートに来たぜ感が一気に押し寄せます。
そして白タクの人アンド人。海外の観光地らしくこちらも白タクだらけです。景色はメッチャいいけど!


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普通にボられるので、優良なタクシーを捕まえたいところですが、空港内は白タクばかりでちゃんとした免許を持ったタクシーは見あたりません。
理由はよくわからないのですが(噂では利権とかなんとか。でもあくまで噂)、タクシーが呼べないのなら今はUberという便利なサービスがあるのでそちらを使いましょう。
しかしお気づきかと思いますがUberは東南アジアから撤退しておりバリでは使えません……。

ということで、東南アジアではUberと同じ感覚で利用でき、システムもほぼ同じGrabを利用しましょう
東南アジア圏でないとクレジットカード登録できないということなので、日本にいる間にアプリをインストールし空港に着いたらWifiを繋げてカード登録しましょう。


Grabでドライバーを呼びますが、少し難しいのはドライバーが空港建物の目の前にある立体駐車場の何階にいるのかということ。
1Fにピックアップコーナーはありますが、3Fや5Fにもあるので、どこに行けばいいかはドライバーとコミュニケーションをとるしかありません。
荷物を持った移動は大変ですし、空港内で連絡を待ちましょう。ちょっと落ち着けるカフェもありますからね!!

GrabもUber同様にクレカ事前決算なので支払いはありません。まあいないと思いますが、「荷物トランクに入れるの手伝ったから追加料金払え」とかいわれても無視して、ユーザー評価を最低にしておけばOKです。

 

 

同じ空港についてってことで、出国についても触れておきますね。
建物は同じですが、諸々手続きが異なります。

まずロビーの電光掲示板について。
出発2時間前に出発便とチェックインロビーの番号が表示されるのですが、これがまったく信用なりません。全然更新されねえ。
なので2時間前くらいになったら掲示板は無視して進んでください。受付に聞いても要領を得ないので進むんだぞ。

デンパサール空港の出発手続きですが、ここでは預け荷物も手荷物もすべてX線検査が通されます。つまり最初の手続きがこのX線検査になるわけです。
この時点で手荷物にある飲み物やら電池やら、あと自撮棒も禁止なので没収されます。お気をつけください。
X戦検査が終わってようやくチェックインです。
チェックインは航空会社によって2つに分かれています。搭乗券を見て、頭文字2桁を覚えておけばどのカウンターに並ぶべきか判断できます。
覚えておきましょう。

チェックイン後はそのままImmigurationに向かい、出国手続きを済ませましょう。ここまでの道程で見ておくべきものなどはありませんので。
免税店などは当然ですが、休めるカフェなどは玄関のロビーにあるのみでX線検査後はマジで何もありません。
なのでとっとと出国手続きを終えて、免税店なり飲食店なりで時間を思い思いに過ごすべきと思います。
フライトの遅延とかもありますが、それはどこも同じですね。僕の時も特に理由の説明無いまま1時間ほど遅れました。


バリの過ごし方


高級リゾートホテルで贅沢に過ごす!

我が家のバリ旅行日程はホテルに1泊、Villaに2泊でした。まずはホテルから。
先に言いますがどちらもめちゃくちゃにお勧めで甲乙付けがたいのですが、あえて言うならホテルには2泊以上すべきです。まず広さがとんでもない。1泊じゃ回りきれません。
絶対に2泊以上をオススメします。

さて、我々が向かったのはThe Muliaシェラトンとかじゃないのかって思いますよね。それもそのはずで、Muliaはインドネシアのローカルリゾートホテルです。日本で言えば帝国ホテルでしょうか。
どうせお金を落とすならローカルの企業に落としたいということもあり、またホテルのグレードはシェラトンなどに引けをとらない6つ星!!!!なのでこちらにいたしました。
他と比較できないのですが、正直大満足でした!!!

 

ロビーに到着すると、レモングラスの爽やかな香りがまとわれた冷たいおしぼりが渡され、女性には生花の髪飾りがプレゼントされます。プレゼントというかそのままつけてくれますね。
視線を少し上げれば、ロビーの先には水平線が見えます。Muliaの構造はいわば湾の形になっており、左右に客室、中央にロビーとレストラン、そして中心にはプールやビートが置かれています。


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受付ロビーは5階に位置しており、そこからMuliaの全貌を見ることができます。天気がよければ、時間帯関係なくすばらしい景色を楽しむことができます。ついたのは夕方だったんですが、まあ最高でしたね。


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なおチェックインは英語。日本語が通じるかも確認すればよかったですね。英語で通してしまいました。

 

それでは客室案内をいたしましょう。
私が泊まったのは一番安い部屋ですが、それでもトイレとバスタブ、シャワールームがそれぞれ独立。ベランダもあるとても快適な部屋でした。
金額は1室2万~3万ほど。いいですか、一室ですよ。一人じゃないですよ。家族3人で泊まったので一人当たり1万ちょっとです。安いと思いませんか?
部屋の写真はちょっと散らかっていてアレですがこんな感じです。


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うれしいのはアメニティが全部無料、いえば追加でももらえること。特にスリッパは素敵です。このまま自分用のお土産になりました。
あとバスローブが大変にすばらしかったです。
通常バスローブはバスタオルと同じタオル記事なのですが、ここのバスローブは毛布でできています。バスタオルで汗を拭いてからバスローブに袖を通してください。
冷房ガンガンの部屋の中でも快適で、かつ感触が至高。裸でキメの細かい毛布に包まれている感覚を想像してみてください。ほぼそのとおりです。ぜひご堪能アレ。というか売ってないの????マジでほしいんですけど。


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気をつけてほしいのがホテル内Wifiの使い方ですIDとパスワードを入力して接続するのですが、客室内は有料、客室外は無料という設定の様子。
接続後気付き、客室内でWifi接続してしまった気がするのですが請求はされませんでした。無料範囲とかあるのか?いったいどうなのか……いずれにせよ客室内でホテルWifiを使うことは控えたほうがよいでしょう。
ホテル内は広大でいたるところにすばらしい景色とソファがあります。宿泊客でごった返すことも無く、飲み物を持って客室から出て適当な場所でくつろぎながらネットサーフィンなり動画視聴なりしてください。(せっかくリゾートに来てるのにその時間の使い方はどうなんだって思いますけどね。どう寛ぐかは自由なので……)

そういえば友人がスイートルームに宿泊していたのでそちらにもお邪魔しました。



広さもですが設備がやっぱり違います。特にベランダが広い!!


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なんと奥にジャグジーがついていて、その先にはやたら狭い二人掛けのカウチソファー!!!!
これジャグジーでじゃれあって疲れたらカウチソファで口説くやつじゃん。オーシャンビューみながらそんなことされたら絶対に落ちる自信がある。是非実践を。そしてレポートをください。

 

続いてホテル内の設備について。


まずはレストランですね。大きく2つあります。屋内にあるThe CafeとプールサイドにあるSoleilです。この2つのレストランはMuliaの中でも最大級に大きく、朝食ビュッフェを提供しています。もちろんランチやディナーも。
金額はランチでナシゴレン一品でだいたい税込み1200円ほど(日本円換算)です。ちょっと高いと思うかもしれませんがホテルレストランでこの価格ですよ。安くないですか?さらに宿泊客は20%オフチケットを使えるので、実質1000円ほどになります。もう一度いいますが6つ星ホテルレストランですよ?この値段なら赤坂プリンスホテルのコーヒー程度ですよ?(年代がばれる話題)


料理はご飯ものはナシゴレンが鉄板です。伝統料理を一通り食べましたがナシゴレンが最強でした。本当に美味しい。

それから魚介ですね。フリットがとても美味しかったです。程よくスパイシーで柔らかく量も十分。ビールに合う……ビール……!!!


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ビールはせっかならインドネシア地ビールであるProstを頼みましょう。とりあえず一番安い奴です。味は癖のないラガービールですから、スパイシーなバリ料理に合います。

 


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この2つ以外では、ビーチサイドやプールサイドにバーが展開しています。
バーではビールの他各種カクテルもあり、またよくあるココナツの実まるごと使ったココナツジュースもあります。ただ、これめっちゃぬるいのでビーチで飲むには適してないですね。写真映え&何事も経験ということでお頼みください。

 


そういえばホテルにチェックインすると各バーの1杯無料券がもらえるので、ビーチやプールでのんびりとタダ酒を煽りながら過ごすのが良いかと思います。
おそらく1杯じゃ足りず、カード決済できますので気付いたらベロンベロンという可能性があります。気をつけてください。写真を見た方はお気づきと思いますがホテル内の床は客室廊下含めほぼ全て石造りなので滑って転ぶと本当にヤバイです。お子さんにも目を話さないようにしてくださいね。

 

お次はビーチとプール。

 


まずビーチですが、見た目はメチャキレイですしほぼプライベートビーチなので人も少ない!です!!見てこの写真!

 


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しかしMuliaのビーチは正直泳ぐのに向きません。まず藻がスゴイ。遠浅なので10mほど進んでも腰より下くらいですがそれまで藻を掻き分けて進む必要があります。海水自体は綺麗ですし、温度も高くて入りやすいのですがね……

 


加えて砂が曲者です。遠目からみると白くて綺麗なのですが、ビーチのほとんどはサンゴの死骸や割れた貝殻の破片で構成されています。つまりゴツゴツしていて、裸足だと怪我をする可能性も。お部屋にあったサンダル必須です。もちろん自前サンダルでもいいんですけども。

よってビーチはサーフィンとかガチのマリンスポーツをするのでなければ、日光浴などがオススメです。
とくにオススメなのは日の出。Muliaのビーチは東を向いているので日の入りを見ることはできません。けれどもその分すばらしい朝日を拝むことができます。
ホテルのプライベートビーチ(正確には完全にプライベートではないみたいですが)なので基本的に日中でも人はいませんし、煩わしい物売りの人などは皆無です。ほぼ赤道の南国なので、朝の冷え込みなどありません。早起きして、さっとTシャツなりワンピースなりに着替えてビーチに向けて移動しましょう。化粧もいりません。どうせ逆光で写真には残らない!!!!


日本とは違って、朝日はひょっこりと顔を出すとすぐにどんどん昇っていきます。その軌跡を切り取るように思い思いの写真を撮ったり、太陽と輝く海を眺めたり、とにかく言いようの無いすばらしい景色を過ごしてください。僕はこんな写真を撮りました。本当に良い。今年の年賀状にします。


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続いてプール。Muliaのプールはビーチ隣接のプールとキッズプールがあります。キッズプールは見るだけで利用しなかったのですが、普通に広いです。四方を木に囲まれ、日陰も多く休んだりしやすいのでまさにお子様連れ仕様。
普通のプールは結構深さがあります。大体150cm~170cmくらいでしょうか。泳げない人は注意して、プールサイドを手摺のように使いながら移動してください。
このプールの楽しみ方はガチで泳ぐのではなく、恋人とじゃれあったり、バーでお酒を頼んでちびちび飲みながら海をぼーっと眺めたり、家族や友人とおしゃべりしたりといった使い方でしょう。南国リゾート来たぜ~~~~~ドヤァ~~~~~ってできます。


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ガチで泳ぎたい人はホテルの一階にフィットネスセンターがあるのでそちらでどうぞ。僕は使いませんでしたが……連泊してたら使ったかもですが……一泊しかないのにフィットネスはちょっと難しかったですね……

また、プールサイドには中くらいの箪笥みたいなのが置いてあり、そこにはバスタオルが入っています。濡れた体を拭くためですね。順次供給されますので、客室からバスタオルを持っていく必要はありません。プールや海から出るときは体を拭きましょう。先ほど述べたとおり床は石造りですので、滑ると大変です。気遣いしていきましょう。
ちょっとトイレ……という場合でもなるべく拭いたほうが良いです。何故かわかりませんが、Muliaに限らずどのリゾートホテルもトイレは冷房がガンガンについていて、めちゃくちゃ寒いです。トイレに来たのに排泄する気が失せるレベルです。風邪引く。すこしでもダメージを減らすために体を拭きましょう。特に女性は体幹だけでも拭いたほうが本当にいいです。バリで風邪とか嫌でしょ!???


んで最後に本当にMuliaをオススメする理由ですが、それはこれ。Mulia Kids。
なんやねんそれって感じですが、これは子連れバリには本当に良いサービスなので紹介させてください。

ざっくりいえばホテル内の子供向けプレイルームで、なんと宿泊客であれば無料で利用できます。チェックアウト後でも利用可能で時間も営業時間中は無制限。神サービスと言わざるを得ない。
中は広く、おもちゃやビデオ、ボールプールなどの大きな遊具、お昼寝スペースまで完備。食事もいつでもあげられ、最低3人のスタッフが見守っています。

わかりにくいと思うんです写真あげますね。


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受付で入り口で子供の名前と親の名前、連絡先、利用している場合はベビーシッターの名前を書くだけでOK。あとはわかりにくいですけど土足厳禁なので靴を脱いで子供を解き放ちましょう。
後述しますが、このMulia Kidsとベビーシッターの組み合わせが最強で、安心して子供を預けたまま夫婦でリゾートできます。まるで新婚旅行に来たかのような感覚に陥ります。いいことです。妻は「抱っこ紐をつけずに外出することが久しぶりすぎて感動している」ということを言っていました。確かにそうだ。ベビーカーも無く、開放的な雰囲気もあいまって存分に羽を伸ばせます。是非家族連れの方は体験してほしいです。


ではいったんこれくらいで。
次はホテルに対抗してVillaでの過ごし方と、ウブド方面の簡単な観光レポの予定です。書いてたらまたバリに行きたくなって辛い。仕事頑張ろう。

 

フィガロ王立吹奏楽団に参加した感想

2019/4/13 フィガロ王立吹奏楽団(フィガロ吹)が無事終演しました。

演奏もですがアマチュアならではの演出が大変好評をいただけたようでめっちゃほっとしてます。

 

10年ほどのブランクを明けての楽器復帰をし、いくつか演奏会の機会をいただいてきました。毎回演奏会の度に新たな挑戦を課せられるのですが、今回は史上最高にプレッシャーがかかる演奏会でした。

理由はいわずもがなですが語らせておくれ。
あとこの一文は冒頭に明記すべきだったと思って今追記してるんですが、この話すべて主観で曖昧な記憶を元に書いていますのでわたしの心の叫び以外は妄想の産物と思ってください。

 

 

とりあえず夫婦でフィガロオケに応募しましたが、参加希望の方が多かったので企画のトモさん(オケと吹でロックだった人)から吹奏楽もやることにしたからそちらに是非、とのお話がありました。

体育会系吹奏楽部育ちの俺、もちろんYESと返答。

とはいえ正直言えばオケには乗りたかった……最推しのぴっつさん(オケで陛下だった人)がコンマスをすることがわかっていたので……

 

 

他にもこれまでの片手程度ですが乗る機会をいただいた演奏会でお世話になっている方も何人もいらっしゃり、また演奏したいなぁと思っていました。

まあ、でもフィガロオケはパイプオルガン生演奏と聞き、奏者ではなく観客席で聴くってのもありじゃん?と納得させていました。

 

前回の本番から一年以上期間が空いてほぼ楽器から離れていたこともあり、吹奏楽に比べて層が薄いオケのトロンボーンに不安もありました。これも本番まで期間がある吹奏楽の方がよいのではという理由になるので、諸々勘案し納得させておりました。

 

そんなこんなでオケへの憧れを少し持ちつつ1/26のフィガロオケに伺ったわけであります。

 

フィガロオケの感想はともかく、オケの本番前どうやらチケットが即売り切れていたという情報が。アマチュアとはいえ場所は便の良い新宿、さらにパイプオルガン生音とかそりゃファンが集まるに決まってるわ。俺も絶対行くもん。

このあたりは知り合いも沢山乗っているオケなので「集客すごいじゃん!!よかったね!!」という素直な気持ちでいっぱいでした。

そんで本番の半月前くらいですかね?「詳しくは言えないが観客席覚悟しろよ……殺されるぞ……わたしはしんだ」みたいなオケ奏者からのツイートがTLに入っているんですよ。

まあ代表のトモさんのことだし何か面白い演出でも考えているのかな~くらい思っていました。どうせ聞いても教えてくれないので、楽しみだな~くらいの戦場にTシャツくらいの軽薄さで居たわけです。んで開演。

 

 

即滅しました。

 

 

いやぶっちゃけね?プレコンでぴっつさんが白い靴履いていたのでおや?とは思ったんですよ。

でも客席でぴっつさんの演奏を聞けるだけで満足じゃないですか。それにちょっと遅れて到着してしまったもので、バタバタしていたのもあってほとんど認識した以上の思考を放棄してしまっていたんですね。

ステージ右側にドーンと鎮座するパイプオルガンを見上げながら「楽しみだな~パイプオルガンでの予兆や妖星乱舞~」とか思ってたら奏者入場、ティナがいる!?リルムも!??ってあれ絶対マッシュやんけ!と混乱していたらステージ端に映る金髪と紺碧のマント。

陛下!????コンマス!????ええええええええええええええとか叫ぶ俺。あと笑ってた。尊いと人って笑うんだね。

 

一方ステージではありえん位沸いてる聴衆に対しておちつきなさいwチューニングできないでしょwと両手で聴衆を宥める陛下。うわあめっちゃ王。もうこの時点で心がバラバラにされていました。まだ一音も出してないのに感動を与えるFF6というかフィガロオケすごい。

 

その後運命のコインとかの演出でもう全身の穴から血を流しながら倒れていました。普通にオケ上手いし最後の蘇る緑まで演出が巧みで、感動と興奮のミルフィーユかよみたいな構成でした。

尊みの過剰摂取でヘロヘロになりつつ終演後のホールを抜けると、とんでもない人。そりゃーチケット全部掃けてホールも詰めて座ってくださいってスタッフの方にお願いされたくらいだしね~と思っていたら。

 

金 髪 が い る

 

 

陛下ジャン!!!!そっかお見送りだァ!!!!

一緒に来ていた妻に「壁ドンしてもらいにいくね」と言い残し人ごみを掻き分け陛下の下にダッシュ。お願い!壁ドンして!!!と両手を合わせてお願いしたら「んん?何寝ぼけた事言ってんだ??」って剣幕でズイズイ陛下の顔が迫ってくる。高身長の陛下の青い眼に心奪われた瞬間にマントを顔にバサアとおっ被せられて終了。マントを剥ぎ取るととんでもねえカメラの数に囲まれていました。なんだこれ。出所したときのメディアの囲みかよ。

んでもそれくらいで気持ちの高ぶりは抑えきれず陛下に抱きつきに言ったらマジで嫌がられて御用かと思われたときにモグが乱入してきたうまいこと有耶無耶になり逃げ切り、以降は大人しくカメラマンに徹することができました。

ありがとうモグ。おかげで写真が潤ったよ。

その日は一緒に聞きに来た友人と夫婦でメシを食いながら感想戦をして1000枚近く写真を撮っていることが判明してコラ画像作って遊んだりしていました。

 

今となっては平和な時代でした。

 

 

 

 

フィガロオケ終演後。

 

フィガロオケがトレンドに入ったとかいう話題もあり、そりゃあの演奏と演出だものと深く頷いていたところ、ふと気付きます。

 

「もしかして……フィガロ吹のハードルめっちゃ上がってない……?」

 

ツイッターにはフィガロオケの感想とともに「フィガロ吹も楽しみ!」みたいな呟きがちらほらあるわけです。

 

あっ……ってなりましたね。

 

実際にフィガロオケが素晴らしかった事はあの瞬間観客席にいてエドガー陛下限界オタクと化した自分が肌で分かっているわけです。

その後の吹奏楽公演。冷静に考えて劣勢です(高度なギャグ)。

一応オーケストラをイメージして作られたFF6の楽曲なのに、吹奏楽では弦楽器がコントラバス以外無くなりますので演奏面での原作再現力が多少は制限されると思うじゃないですか。そもそもゲーム曲だから楽器でマジで演奏する想定じゃないから、といえばそれまでですし編曲でカバーできるとはいえちょっと心配。

さらにフィガロ吹の会場である立川たましんRISURUホールにはパイプオルガンはありません。生音パイプオルガンという飛び道具が無いのでそこの期待値は下がるのも致し方なし。

 

交通の便のよさでは明らかに新宿が有利……

加えて演出ですよ。

フィガロオケでコスプレ奏者による完璧な演出が成された後ですよ。普通に考えたら何やっても二番煎じにしかならないじゃないですか。

 

どうすんだよこれ……とか勝手に心配していました。
今思えば杞憂だったんですけどね。オケ、吹奏楽の両運営は同一人物のトモさんとよしのさん(オケと吹でモグだった人)チームでしたので、オケ盛況がお二人の予想を上回ったかどうかはともかくオケと吹それぞれで期待値を越える作戦を当然考えていたわけです。

 

 

さて。
フィガロオケ後のフィガロ吹の練習ですが、前々から言っていた譜面の更改をそろそろするよって話がありました。

 

今思えばこれ、上記の作戦をオケもおわったし、次は吹だってことでいよいよ実行に移したってことだったんですね(たぶん)。更改するといってもそこまでガラリと変わらないということでまあ練習そのものは予定通りあるわけですよ。

 

で、いつもどおり合奏開始まで黙々と準備したり吹いていたりしたらよしのさんが意味深に近づいてくる訳です。超怪しいけどまあ何だろうなと思って立ち上がったらまあまあ座ってと促されます。いや怪しいって……なんなの……と思ったら頭に軽い衝撃。んで「あー思ったより似合う」とよしのさんのうれしそうな声。

 

背後から近づいていたトモさんが頭にエドガーのウィッグを被せていたのです!!!何が起きたかわからなくて混乱するわたし。その間にトモさんから紙袋を渡される。これは……何?あ、オケの陛下が着けてた腰布じゃん。んん?

 

タツキさあ、フィガロ吹でエドガーやってほしいなって。他に頼める人が思い浮かばなかったし」

 

えええええしか多分言えてない俺。あ、ここの会話はめちゃめちゃうろおぼえです。この文全部主観うろ覚えで書いているんで事実じゃないのも多分に含まれているはずなんですけど、特にここは大変混乱していたので雰囲気だけ感じてください。

 

「オケ陛下のファンだしいろいろな意味でタツキにしか頼めないとと思って!!お願い!」

 

繰り返しますが体育会系吹奏楽育ちの俺、目上からの返事はいつだって「はい」「YES」の二択。

 

エドガーをやりますか?

はい←

YES

 

 

「はい!」(マジか~~~)

「じゃあよろしくね!!マントは別でもらうから」

 

返事を聞くまでもなくトモさんは腰布を勝手に俺の体に巻いていましたし、顔を見て「思ったより金髪似合うじゃん」とか言ってました。似合わなかったらどうするつもりだったんだよ。

ともかく……この瞬間フィガロ吹演出大作戦のひとつ、エドガー陛下の配役が決定したわけです。うまいこと乗せられたわ。

そしてオケのコンマス陛下と比べられるのではというプレッシャーを背負うことになりました………ヒエッ

 

なお、その日の練習終わりにトモさんから「フィガロオケに来た人は予想してるだろうけどフィガロ吹でもメインメンバーはコスプレしてもらおうと思いますー。一部メンバーは演出の関係で決まっているのでやりたい人募集しまーす」とのアナウンス。ついでにエドガーはトロンボーンのあれだよーとの共有もされ完全に逃げ場を失いました。ヒイープレッシャー。

このとき誰がやるかまだ決まっていなかったのはセリス、リルム、シャドウ、ゴゴ、ガウ、ウーマロ、ストラゴス。後ろ4名はその状態で演奏するってのは技術的にかなり厳しいのでまあもしできる人がいれば……って感じでした。いなかったね。

ロック、モグ、マッシュ、セッツァーはフィガロオケから続投、カイエンはドマ公演という背景で演奏会を行うことは決まっており、クラトップおよびコンマスのまつさんが担当することに決まっていました。そこでまあ気付くべきでしたよ、さらなる陰謀に。

 

練習帰りの車の中、助手席の妻みっきーさんが「あのさ……私ティナやるみたいなんだけど……」と零す。ええええええええお前もかーーーーーい!!!!

詳しい経緯は本人がその気になったら語ってくれるでしょうが、まあほぼエドガーと同じ感じで「ティナやってほしいな」というお願いがあったそうな。具体的にどういう話をしたのかは認識してないんですが、演出上どうしても依頼したいということで快諾したようです。ということで運営の考えどおりになりました。してやられたぜ!

というわけで、夫婦でエドティナプロジェクトが発足したのであった。この時は確か2月中旬から下旬で、本番一ヵ月半前くらいだったと思います。

 

そういえば記憶が曖昧ですがその前後の練習でEuphのおかゆさんが「いいなーコスプレー」と言っていて、じゃあ何がいいかなー……あ、シャドウいけんじゃない!??みたいな話をしました。まさかマジでシャドウに立候補して実際にシャドウをやることになるとは……あんなに似合うなんて思わなかったよ。

 

 

 

エドガーをやる、しかも衣装の大半はコンマス陛下を継承するので、あの完璧なコンマス陛下と比べられるのは避けられません。嫌だけど!!!あの陛下と比べられたらそれだけで吹がガッカリになってしまう!!!!それくらいの破壊力がコンマス陛下にはあったんだ!!!!

 

3日ほど己の運命を呪ったあと若干前向きに衣装のパワーアップを考えました。というかティナもオケのティナから衣装を継承していたのでパワーアップを画策しており、それに引っ張られた感じですね。

 

まず考えたのは胸元にリボンをつけること。

 

マントの紐が垂れているだけだとゴージャス感が無いのでブローチをつけることにしました。ティナも別の用途で宝石モチーフを探していて、色違いでカッコイイ(そして安い)のがあったのでそれを注文してもらいました。

 

その後、あ、エドティナでアクセサリー色違いとかエドティナ民にとってはエモじゃんということに気付き、なんとなーく合わせるつもりでいたらエドガーのブローチとティナの腕輪、エドガーの指輪とティナのピアス、そしてエドティナの髪飾りは同じ石が着くことになりました。めっちゃ合わせてきてるね今思えば。

エドガーは職業マシーナリーだしということで歯車モチーフのアクセサリーと指輪も追加しました。これで多少見た目も華やかに!!!弦楽器の場合は指輪をゴテゴテつけられないので、そこは結果的にコンマス陛下と差別化できてほっとしてます。

 

 

しっかしまあそれでも遠くから見たらわからないし、運命のコインの演出みたいなのは今回無いし、あったとしてもコンマス陛下には負けるからむしろやりたくないし、何かインパクトを……とエドガーの設定を漁りながら考えていました。趣味が模様替え……使えないな……見た目ならいっそ鎧を作ろうかと思ったり。でもトロンボーン担ぐ上では邪魔になるので却下。悩みました。
情報はテキストや最新作のDFFOOの情報見てたのですが、たまにはSFC版の情報も漁るるーとYoutube漁った時に見てしまったのです。かいてんのこぎりをぶっぱなす陛下の姿を。そうだ、DFFOOの芝刈り機じゃなくてSFCはチェーンソー形状だった!

 

見た瞬間閃きました。これしかない!!!運命のコインのシリアスな演出も無いのだから、かいてんのこぎりで演奏することでフィガロオケの陛下と違うはっちゃけノリノリ感を演出しオケの陛下とは別の軸に立つのだ!!!これしかない!!!!

 

しかし造形の知識も経験も皆無。というか勘違いしてるかもしれないけど俺コスプレイヤーじゃないからね?コスプレに抵抗が無いだけで。

 

ここからスライドにパーツをくっつけてかいてんのこぎりにする構想を練ります。

それが確か3月くらい。重たいと演奏に支障が出るのでメイン素材はCOSボードと発泡スチロールをチョイス。そこから切断、Gボンドで接着、塗装と3月末には形にして4月頭の練習に持ち込み実装した状態で実奏(激ウマギャグ)。
数時間吹いても問題なしということ確認したところ、同じトロンボーンのTenさんから電飾を渡され「光らせよう」と一言。返事は「はい」か「Yes」しかないので、一週間で歯車モチーフと一緒に電飾を付けました。冷静に考えなくても光らせる意味がわからないのですが目立ったのでよし。

 

あとあと、よっしゃこれでケフカ倒すぞーと意気込んでいたら「4部ではかいてんのこぎり禁止ね」とロックからの無慈悲な言葉のバリアントナイフが刺さりました。理由はエンディングの緑の雰囲気に合わないから。うん。それはそう。でものこぎりでケフカと戦いたかった……舞台上でオミットできる設計にしておけばよかった……マジックテープだから緑の前奏の静かなところでバリバリやるわけにもいかず、第3部のみの使用となりました。なおくやしいので終演後のロビーに絶対持っていくと密かに誓いました。

 

その頃と平行して最重要の楽曲側でも動きが。(なんか衣装や小道具の話ばっかりしてるけど当然演奏団体なので……真面目にやってるんですよ……ただ真面目にやるのは当たり前なので感想としては表に出にくいだけで……)

改定するよーということで待ってた新編曲譜面。確かにそこまで大きく変わっていないけど……ん?

 

 

ご、ごごごごごごごご

御指名ソローーーーーーーー!???

 

それも3箇所も!???「指名ソロのところは立って吹いてもらいます」ハアーーーーーーーー暗譜しなきゃじゃん!!!!!!!!!!!衣装と装備でそれどころじゃねーーーーーーーー!!!

 

けどやらないわけにはいかないでしょう!!
最初のソロはティナと一緒のソロだし、運命のコインでエドガー放置は流石にありえないし。そもそも曲はエドガーのテーマだし。
もうひとつはリルムとのソロだけどこれは編曲したロックがエドリル派だからと解釈しています。なのでやらないわけにはいかないのです。

 

まーじでソロの演奏と暗譜がんばりましたよ。
上手い必要は無いけどエドガーの格好して、さらにかいてんのこぎりまでつける演出まで画策してるのにソロ失敗したら情けなすぎるじゃないですか。演奏よりも小道具や演出を優先した勘違い野郎に思われること間違い無し。多分立ち直れない。本当にプレッシャーでした……さらに言えば本番前最後の練習で、最初のソロで1音も出ないという特大の失敗をしてしまって本当にメンタルがクソザコナメクジになりかけました……周りも心配したと思います。わらえねー。

 

なんで本番前のソロで大失敗したかというと、ここにきて緑の演出が追加されてどうしようか考えてしまってたからですね。演奏に集中しないとこうなると今更思い出させてくれました。あの「マッシュに肩ポン」演出です。


緑は冒頭キャラクターのテーマ曲が流れるので、それにあわせてたとえばカイエンが刀構えるとかの演出が追加されていきました。でエドガーとマッシュは同じテーマ曲で楽譜があるのでとりあえず立って吹いてもらおうかということになり(冷静に考えて本番一週間前に暗譜箇所追加だったな)ました。

しかしただ吹いてもね……せっかくなら一緒に演奏するか!と思ったんですが、マッシュはコントラバスで移動が困難なので、こちらが移動して隣で吹くことにしました。トロンボーンは最初の4小節吹いた後少し休符になんですけど、コントラバスは弾き続けているので楽譜変更して二人で最後まで演奏するようにしようかな?とも思ったんですけど、今から新たに楽譜起こして暗譜できる自信なかった上「そこの演出は陛下の御心のままに」と言ってもらえたので肩ポン退避という形にしました。決めたの本番当日ですけど。フィガロ兄弟の絆が垣間見れるいいシーンになればいいな……との思いを込めて……あと演奏の邪魔してスマンというマッシュへの謝罪もちょっとあり……

 

曲順戻っちゃいますが、ロックのテーマのところでブラボーフィガロ!って叫ぶ演出。エドガー役を拝命した後にこれ叫べってことですよね?とトモさんに聞いたら「まさかそう書かれて叫ばないとか無いよね?」と言われる始末。まあそうなるな。
というかロックは基本大変お優しいのですけど吹の陛下に対しては悪友ポジ貫いてます。「エドガー早く座れ」とか言われるし。最高ですよね。公開できないけどエドロク?ロクエド?の写真も沢山あるんだよね。公開できないけど。

 

 

あとまた時系列無視で申し訳なんですけど、最後の練習でカイエン以外のコスプレ奏者が全員衣装実装してきたんですよ。しかも!!!全員クオリティが高すぎィ!!!!!!!シャドウお前演奏することとか無視して設定に寄せてきやがったな???リルムとセリス!!!君たちプロの犯行でしょ!!!!なんで今まで黙ってたの!!!

この衝撃でマッシュは本番一週間前にして衣装のアップグレードを決行しました。ティナは周りのクオリティに感動していましたが元々凝り性なんで衣装についてぎりぎりまで悩んで調整して……を繰り返していましたね。

エドガーはソロ盛りだくさんということもあってギリギリまで凝ることはせず、かいてんのこぎりを光らせるくらいしかしていないです。基本的には空いている時間は楽器の練習に充てていました。ソロの部分はもう百回は吹いたと思います。絶対失敗できないので……

 

しかしまあミュートをつけたとはいえ深夜の練習はできません。さらにサラリーマン死の年度末ということもあり平日の練習時間はかなり限られていました。イメージトレーニングは勿論ですが、ここにきて「せっかくFF6のキャラクターが揃うんだからコスプレイヤーさんのオフショットみたいに何かやったほうが面白くない?」とか思ってしまい、当日やりたいことを考え始めます。いわゆる陛下の悪ノリですね。

 

この思考の末生まれたのがエドマシュのティーパーティーとか元号待ちなとか、VSオルトロスとかです。練習中の休憩や練習後に一緒に奏者とメシを食ってる時に「せっかくだから何かおもしろいことしたいんだけどアイデアない?」と聞いて回ってフィガロ吹の集合知が炸裂した瞬間です。
衣装が必要なネタは本番撮るとして、控室の張り紙とか陛下からの差し入れとか、簡単にできそうな小ネタは前日に準備しておりました。衣装は何度も着て、いよいよ本番まで後数日に迫った頃。スマホに連絡が。

 

「緑のゴゴのところ、最後にゴゴが穴に落ちる演出だけど目玉もってくるから光らせる演出よろしく(意訳)」

 

ここにきて演出追加です。陛下がゴゴやるってどういうことなんだ。ということで唯一2役やる名誉をいただきました。陛下の便利屋感あふれるエピソードです。客席からどれだけ見えるのか本人にはまったくわからないのですが、本番だと笑いが起きたのでたぶん成功したと思います。

 

つーことでついに本番当日です。

 

 

楽屋セッティングの指令を賜っていたので八時過ぎにホールに到着しておりました。車には楽器、衣装、そして小ネタグッズ……トランクから後部座席まで荷物で埋まっています。幸い渋滞もなく、八時半に楽屋が開放されてから大忙しです。

 

このホールは前にも使ったことがあったので、構造は大体理解していました。
まず正規の控え室の張り紙を張り、鍵を開け、ゴミ袋セットとかもろもろを行い、小道具?ネタ?の陛下とどろぼうの張り紙と陛下からの差し入れのセット。これはなかなか好評でしたね!特に張り紙はかいてんのこぎりよりもRTされててちょっとくやしい。

 

張り紙や元号待ちなは完全に遊びですけど、本番は慌しいのでお菓子があれば奏者のエネルギー補給にもなるかと思って用意しました。表向きは。
本当は演出考えているときに立ち寄ったコンビニに「フィガロ」というお菓子が売られているのを見てしまって閃いただけです……でもいいと思うんだよなあ、ネタ共演者差し入れ。たとえばアイマスPBで「天海春香さんから差し入れをいただきました!」とかの紙とお菓子が控え室にあったら奏者のテンション上がりません???準備も楽だし。流行れ。

 

そんな遊びをしつつ、即エドガーに着替えてホールへ。午前中は響きのチェックや照明、演出の確認です。

既に一部の奏者はもう仕上がっていましたが、ロック、モグ、カイエン、シャドウは本番前のプレコン出演のためまだ黒服です。プレコン後の早着替えでお客様はびっくりするんだろうなーとちょっとニヤついてました。
そしてホールでは音響、照明、演出もろもろのチェックを終えて楽屋へ戻ります。

コスプレ奏者男性楽屋にいるのはエドガー、マッシュ、セッツァー、声楽のドラクゥとラルス。ドラクゥとラルスは本番前に声のウォームアップをしていたので、マッシュとセッツァーで楽屋で遊んでいました。そこで撮影したのがお茶会だったり、元号待ちなだったり。衣装調整の写真も確かこのあたりですね。

 

ということでカイエンに率いられ開演(大爆笑ギャグ)。

演奏中のお話はこっちで公開しておりますので、ここではどーーーしてもやりたい個人的な1部の裏話を。

 

 

 

フィガロオケに比べてフィガロ吹はコスプレ奏者の人数が大幅に増えたので、コスプレ奏者は最後に一斉に入場することは決まっていました。入ったとたん「おおー!」みたいな歓声がちょろっと上がったのでほっとしたことを覚えています。まあオケでコスプレ奏者がいたからオケと比べたら小さかったと思いますが、そりゃオケは完全に不意打ちだったからね……自分もめちゃめちゃ声出したわ。

で、壇上で各自一礼し、それぞれの席に向かってチューニングなりをこなし、ロックが入場して予兆がスタート。

だーが俺の脳内はもう3曲目のソロでいっぱいいっぱいでした。

 

直前まで楽屋で遊んでて(バカ)最後の練習とかポジション確認とかしてなかったからのでここにきてうおーーーれんしゅうしてえーーーという焦りモードになっていました。
でも指揮者のロックがめちゃんこ麗しくて「ああ、フィガロオケの人たちはこの光景見ながら演奏してたのか……すばらしい自制心の持ち主だ……」とか考えてたら若干落ち着きを取り戻し、3曲目へ。

1音も出なかった大失敗が思い出される冒頭のソロです。さすがに緊張した音になっちまいました。最初の4小節はティナのホルンとセットなのでなるべく聞こうとしてたけどメロディーだから素直に合わせてもらうべきでしたね。まあでも一応吹けました。

 

んで運命のコインの最後のソロ。これ外したらトラウマ待ったなしの究極の局面。
意外と平常心でした。一音目はしっかり息を入れて響かせ、後は流れに任せることを意識したんですけど、これがうまくいった。なぜならシャドウのユーフォニウムが旨いこと響いてくれたんですよね。練習は平面で吹くんですが本番だとトロンボーンユーフォニウムより一段高く、さらに自分は立って吹くのでユーフォニウムの上向きのベルから放たれる音が楽器全体を包み込んでくれました。

それに合わせてたらソロが終わっていた。あ~~~~吹ききった~~~~~という感じでうまくいったかはわからなかったんですが、ここでロックが客席に見えないように胸元でOKサインを作ってくれて客観的にも良かったんだな、という実感を得るとともにロックのこと好きになりそう……でした……いや好きなった……

 

はいここから反省です。

 

運命のコインの後はケフカのテーマで最後はロックのテーマになります。あのフィガロ城潜航シーンの再現ですね。ここで「ブラボーフィガロ!」と叫ぶ例の演出があるのですけど何を思ったのか完全にソロが終わって油断して忘れていました。マジです。叫ぶ1小節前くらいから立つ予定でずっとそれで練習してきたのに何を思ったのか普通に吹いてました。で予定でブラボーフィガロって言うところまで来た瞬間、電流走る!!!!!!お前演出忘れてっぞーーーーーーーーー!!!!!その場で一瞬で立って叫びましたよ。なんとか取り繕えたっぽい。1部終わりに奏者から「なんかブラボーフィガロ遅くなかった?」と聞かれ、「じつは忘れかけてた」と明かした時のまじかよって顔忘れません。俺もびっくりしたわ。

 

気付いたらすげえ沢山書いてしまったのでそろそろ筆をおかないといけない奴。

なんにせよこれまでの演奏会とはかなり質的に異なるプレッシャーを感じる演奏会でございました。

でも今となってはソロはなんとかこなせ、控え室張り紙などで奏者全体を、かいてんのこぎりなどで聴衆の皆様を盛り上げることができて大変満足しています。がんばってよかった、そして陛下の配役をいただけてよかった。運営のトモさんよしのさんに大感謝。

 

全員に感謝ですけど特に当日いろいろと悪ノリに付き合ってくれたマッシュのしゃんさんとセッツァーのTKパイセン、演奏面で支えてくれたTbパートの皆さんと特にシャドウだったEuphのおかゆさん。んで切磋琢磨した妻のティナ(言いたいだけ)のみっきーさんありがとう!!!俺たちの演奏の旅はまだこれからも続く!

 

THE END

 

(4/19  誤字とか誤り(ホール名間違えるとかね……)がありましたので一部修正しています)